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第1章 値段は夜、決まる

ロンドン時間で値段は作られる

 日本の現物の株式市場は東京時間の15時に終わる。その最後の値段を「引け値」または「終値」というが、翌朝は前日の終値からかけ離れて取引きが始まってしまうことがよくある。 それはこうしたロンドン時間に起こった事柄に対して、マーケットはそのすべてを価格に織り込もうとして動き、実際に取引きされている様々なものの価値が変動してしまった結果が、朝の日本に戻ってくるだけだからだ。

 なじみの深い例でいえば、日経平均先物はロンドン時間やニューヨーク時間でも取引されている。日本株のマザーマーケットである東京市場がクローズしているからといって、値段は前日の終値のままで止まっていてはくれない。ロンドン時間で大きく動いてしまえば、翌朝はその動いてしまった後から始まる。日経平均株価でいえば、「今日は前日比で500円安もしてる。これはひどい!」というときでも、その日東京市場自体での取引レンジは、上下で100円くらいしかないときもある。残りの400円の部分は、まさしく夜の間に動いてしまい、値段が決定されてしまっているのだ。