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第5章 情報収集の仕方

情報の種類 @経済指標などの公的な統計発表

(2)経済活動に関するもの

(2)の経済活動に関するもののうち代表的なものとして、国内総生産(GDP)や鉱工業生産、設備稼働率、機械受注などがあげられます。

GDPというのはその国の経済規模を表わし、4半期ごとに公表されます。GDP統計というものは各種数字の積み上げによって構成されており、その絶対数値には実態がありません。しかし日本の場合は年間500兆円、米国はその2倍ということになっており、経済の規模を測るための道具として前期比など変化率(成長率といいます)には重要な意味がみとめられます。構成要素としては、個人消費(家計)、設備投資(企業)、公共事業(政府支出)、貿易収支の4つが大きな部分を占めます。先進国の場合、GDPのうち7割近くを個人消費が占めています。

市場の反応ですが、GDPの増加はその伸びの原因が何であれ、その国の経済活動の規模が膨れていることを意味し、その国の通貨の買いで反応することになります。日本のGDPの発表は朝の8時50分に行われますが、これが良い数字となると円が買われることになり、ドル円やユーロ円はいっせいに下がり始めます。また、9時から株式市場もオープンしますので、株価がGDPを好感しているかどうかをすぐに確認できるわけで、日経平均株価などが飛んで始まるようならば安心感が拡がって円はさらに買われることになり、発表直後に円を買い損なった人たちが追随することになります。

昨今は世界的デフレのためあまり問題視されませんが、名目成長率と実質成長率の違いも大切ですので、心のどこかに留めておくようにしましょう。理由はGDPが10%上がったといっても、物価が15%以上あがっていれば、フトコロにはお金が残らないはずだからです。

日本をはじめとした成熟した先進国の場合には、GDP成長率は一ケタ台という低率でしか伸びていきません。いっぽう、新興国と称される中国やインド、ブラジルなどは高い成長率となる傾向があります。